ロシアのプーチン大統領が軍事力を行使できる事態にまで進行し、今後のウクライナの情勢は、いよいよ先行きが見えない状態に至っている。東部の親ロシア住民は、ロシアの支援を期待している現状を受けて、暫定政権側はこの東部一帯の住民からの信認を受けるには程遠い状態にあって、南部のクリミアでは親ロシアのウクライナ兵士が権力を掌握している。
 その中で、ロシア大統領プーチンの要請を受けて、ロシア議会はウクライナへの軍事介入の容認を議決した。いつでも、ロシア軍は自国民の保護と親ロシア住民の安全を保全を目的として軍事介入できる状態になっている。

 シリア内戦でのロシア軍の対応もそうだが、シリアへの軍事介入を宣言しておきながら、それを断念せざるを得なかった米国のオバマ大統領とは、対極にあるロシア・プーチン大統領の指導力は、今後のウクライナ情勢を予測する上では、大きく影響するのは当然だ。
 
 ウクライナの軍隊は、ロシアの装備が主体であり、その意味でもロシア軍は親EUとしてNATO軍への参加は容認できないところにあるのだが、このNATO軍を主導する米軍は実質的には何ら対応できない状態にあると思わる。
 また、ウクライナ軍はNATOに参加しているわけではないのでウクライナへ侵攻への名目は立たないばかりか、もしNATO軍の侵攻があれば、これは暴挙と言わざるを得ない状態になる。つまり、これはウクライナの暫定政権が、国民のコンセンサスを得ている政権とは考えられないからだ。

 そして、クリミア半島にはロシアの黒海艦隊の母港があり、2042年までの使用契約がウクライナ政府との契約があるわけだから、この軍港の保全を目的としたロシア軍の侵攻は可能なわけであって、今後のロシア軍の常駐には何の障壁もないということになる。

 今後の焦点は、ロシアのプーチンがどれだけの規模で、いつウクライナ領内に軍を進めるか、ということになっている。
 ウクライナの政権の今後の対応如何では、この膠着状態は長期化することは必至であろう。そこにEUとNATO軍の採るべき方策は限られている。

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